2006年5月21日よりミクロネシア・コスラエ島へGTフィッシング&ジギングに行かれたプロショップ”インザストリーム”の川嶌様よりご報告を頂きました。以下本文より抜粋です。
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初めてコスラエ島に訪れたのは10年ほど前、僕らはまだまだGTは素人同然だった。当時、フィッシャーマンの鈴木文雄さんや大久保幸三さんがコスラエ島のGTフィッシングで記事を書いて、GTへの憧れもあり僕らはコスラエ島へ渡った。「ドバッ」とGTがバイトしてもフックアップできない、ジグはいつもボロボロになって戻ってきた。悔しさだけ残ったことが今でも鮮明に覚えている。
2006年5月末、コスラエのリベンジチャンスがやってきた。あの日以来、GT、ジギングを様々なフィールドで経験してきた。少なかれども10年前の僕とは違う。年はとったし、腹も出てきた・・・ 違う、違う、そう言うのではなく、テクニックとメンタル面で少しは鍛えられたと思う。
フィッシング初日、タックルと僕らを荷台に乗せたトラックは、バナナとヤシがたくさん実った海岸線を走り、エアポートサイドのマリ-ナに到着した。以前乗ったクルーザーは無く、木の葉のようなボートに二人ずつ分かれて乗船した。「さぁ、いよいよ開始だ!」エアポート沖は、通称シャークアイランドリーフと言われるポイント。前回、良型のキハダやヨコシマサワラをキャッチした思い出あるポイントだけに気合が入る。リーフエッジにできた小島のヤシが少し成長していた。その小島目掛けて「バシュー」と、ITSストロングポップをキャスト。「ゴボッ!ゴッボ!」と波間に泡を残しポッピングした。あれっ?反応がない・・・南東の風の影響か、シャークアイランドリーフの東側には回りこめない。早々に次のワーランビレッジリーフに移動したがそこでも反応を得られなかった。 陽が傾きだした頃、シャークアイランドリーフに戻り、今回のためにマリンベイトさんに特注で作ってもらったディープパープルカラーの桜花300gをT.KustoMの‘CUDA500プロトロッドでジャーキングしていると「ガガガガガッ・・・」と心地よいバイト。小型だが食すには丁度いいサイズのキハダマグロが海面を割った。その夜、レストランにキハダマグロを持ち込み、刺身とマグロステーキを作ってもらった。刺身は普通に醤油でいただくのもありだが、コスラエまで来たならローカルソースでいただくことをおすすめする。そのソースは醤油にライム汁、玉ねぎのみじん切り、とうがらし、にんにくを少し入れたもので、マリネ風な味はさっぱりとしていて疲れた身体を癒してくれた。

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 前日より、二時間早くホテルを後にした。マリーナに着くとノーリンがいない。代わりに怖そうなオチャンがいた。「もしかして、このオッチャンが今日のキャプテン?昨日、ノーリンに半日がかりでジギングを教えたに・・・」と、思っているとオチャンがエンジンをかけた。「やっぱり・・・」
 鈴木さんと橋本さんを乗せたウィットマー号は、エンジンの調子が悪くなかなか出港できない。結局、前日と同じぐらいの出港となってしまった。強面のオッチャンの名前はジョセフ、年齢は59歳。雰囲気からマリーナを取り仕切っているボスみたい。僕と伊藤さんを乗せたジョセフ号はスロットル全開でシャークアイランドリーフ目指した。風も穏やかでポントの東側に回れた。カーペンターのGT-γ120gをセットし、リーフエッジに当たる潮を見つけ、潮上にキャスト。「ピチャピチャ」と、左右に水飛沫を上げたS字アクションをしていると、「ダバッ」という音と共にルアーが海中へ引き込まれた。2~3度フッキングを入れ、ファイト体勢へ移行した。何故か、僕よりもジョセフが興奮している。小さいがコスラエ初のGTを手にした。昼までに、僕はもう一尾小型なGTとバラクーダ追加し、伊藤さんはカスミアジ、鈴木さんも生涯初のGTとご対面できた。

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前日と同じようにランチタイム後はマリーナで泳ぎ、キープしたGTで遊んでみた。コスラエ人の多くは自給自足の生活をしている。魚は彼らにとって貴重なタンパク源、釣れた魚を逃がすと嫌な顔をするのでキープすることにした。
 ワーランドロップオフでイソマグロを狙うが、ジョセフに英語でドッグトゥースツナが伝わっているかが分からない。とりあえずジョセフに任せ、ポイントを回ってみた。水深60mラインから一気に250mぐらいまで落ち込む。いかにもイソマグロが出そうなのだが、潮止まりで生命感を感じられない。時折、ワフーやオオクチイシチビキがロッドをしならせてくれる。しかし、イソマグロの顔が拝めない。再びGTフィッシングに切り替え、ワーランビレッジリーフを叩く。目測で水深20mぐらいのところに小さなブレイクがあるように見えた。その際を潮の向きを考えつつキャスト。ルアーの後ろに黒い影が、「来てる!来てる!出たー!」一人ボートの上ではしゃいでいた。やっぱりジョセフも興奮気味。ジギングの時はサトウキビをムシャムシャとかじっているだけだったのに。その後、シャークの洗礼を受けながらも2本のGTをランディングし帰港すると、後のウィットマー号の鈴木さんがグッドサイズのGTをキャッチしていた。 三日目、GTオンリー船とGT&ジギング船に分かれてマリーナを離れた。GTオンリー船はジョセフ号で橋本さんと伊藤さん。GT&ジギング船は、ノーリンとウィットマーのWキャプテンで僕と鈴木さんが乗船した。ノーリンとウィットマーにもイソマグロが釣りたいと伝えるが、二人して首を傾げる。イソマグロがいないハズがない。前回コスラエに来たときも沢山釣ったし知らないハズはない。マリーナに戻りランチを摂っていると、ノーリンが「タカさん、タカさん」と、僕を呼ぶ。何だろうと思いノーリンの後について、魚市場のような部屋に入ると3mほどの箱の中に・・・。僕は度肝を抜かれ、しばらく呆然とした。そこには見たこともないような巨大なイソマグロが横たわっていた。それは僕の頭が楽に入る口を持つ120kgのイソマグロ!!市場のオバチャンに聞いたところ、前日の夜に漁師が手釣りで釣ったそうだ。そして70~80kgのイソマグロならよく目にすると言う。ノーリンとウィットマーに「これが釣れるところに連れて行け」と伝えるが、笑みを浮かべるだけであった。「ヨッシャー!ぜってぇイソンボ釣ったるぅ」。休憩を終え再びコスラエの海へ。「あれあれっ!みんなGTなの?」どうやら僕一人がさっきイソマグロに興奮していたみたい。みんなGTが大好きなのね。
 フィッシング最終日、今日が最後だと思うと気合が入る。最後だからコスラエ島を一周回ってみたいという意見から、時計回りでリーフを打っていく。コスラエの名所、その昔、女性が貼り付けられてできた言われる山“スリーピングレディー”を見ながらキャストするのは何とも気持ちが良かった。激しいスコールでレロのマリーナに一時避難すると橋本さんがニコニコしながらGTキャッチしていた。僕と一緒にオカッパリで遊んでいた鈴木さんが「かわしまくーん!かわしまくーん!きたきた、何かきたー!」と、初めて魚を釣る少年のように叫んでいたので駆けつけると、30cmくらいのナンヨウカイワリが釣れていた。ホントこの人は釣りが好きなんだーと実感した瞬間であった。
 ヒロシズポイントに到着し、ジギングを開始するとすぐに現地名で“セントウキ”という魚がヒットした。どうやら旧日本兵が名づけたらしく、和名ではオオクチイシチビキ。その後もセントウキばかりが続いた。「ゴゴーン!」、‘CUDA500が絞り込まれた。ケブラーコンポジットの肉厚ブランクでできた5ftのこのベイトロッドは、程好いスローアクションで安心できる粘りがある。300gのジグをキッチリ踊らせ、50kgほどの魚なら難なくリフトする。数分後、120kgのイソマグロには程遠いが、まずまずのキハダマグロをキャッチし、最終日を終えた。

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使用タックル
【ジギング】
ロッド T.KustoM CODA500プロト
リール オシアジガー5000
ライン バリバス10×10 5号
ルアー マリンベイト桜花 ITSディープパープル200g・300g

【GT】
ロッド ザウルス810
リール ダイワ6000
ライン バリバス GTマックスパワー 6号・8号
ルアー ストロングポップ、GT-γ

【その他】
偏光グラス OBJバッドスイマー
防水バッグ シールライン・バウンダイリー35L
ハット   ウォーターシップ・ビニヤードヘブン
パンツ   モンベル・リバーガイドショーツ
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